空調方式は「熱媒体の種類」と「制御の方法」で大きく分類される。試験では各方式の特徴・長所・短所の区別が頻出。
| 方式 | 概要 | 特徴・適用 |
|---|---|---|
| 定風量単一ダクト(CAV) | 送風量一定、温度で制御 | シンプルで信頼性高い。負荷変動への細かい対応は苦手 |
| 変風量(VAV) | 送風量を変化させて制御 | 個別制御・省エネに優れる。ダクト設計が複雑 |
| ファンコイルユニット(FCU) | 各室にファンコイルを設置 | 個別制御が容易。水配管が各室に必要 |
| パッケージ型(PAC) | 冷媒配管で各室に冷暖房 | 個別制御が容易。セントラルより維持管理が簡単 |
| 外気冷房 | 外気が室内より低温の場合に活用 | 冬季・中間期の省エネに有効 |
冷凍サイクルの理解と、各種冷凍機の構造・特徴の区別が重要。COPの大小関係も必ず押さえる。
蒸発 → 圧縮 → 凝縮 → 膨張(膨張弁) の順に冷媒が状態変化する。
大気熱を汲み上げるため、暖房時のCOPは通常1以上。「必ず1を下回る」は誤り。外気温が高いほど暖房能力は向上(低いほど低下)する。
遠心冷凍機=インペラ回転で圧縮 / 吸収冷凍機=圧縮機不要・熱エネルギー利用 / スクロール冷凍機=渦巻きスクロールで圧縮
冷水温度は高めに設定するほどCOPが向上する。「低く設定するほど向上」は誤り(蒸発圧力が下がり仕事量増加)。
| 種類 | 圧縮原理 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 遠心(ターボ) | インペラの回転 | 大容量向き、部分負荷効率が課題 |
| 吸収式 | 圧縮機なし(熱で吸収) | 電力消費少、廃熱利用に最適 |
| スクロール | 渦巻き噛み合い | 小〜中容量、振動少、高効率 |
| スクリュー | 雄雌ロータ回転 | 中〜大容量、信頼性高い |
ダンパーの種類と機能の混同が頻出。防火ダンパー(FD)と防煙ダンパー(SD)は特に注意。
FD:温度ヒューズが溶断して閉鎖(火災の熱を感知)
SD:煙感知器の信号で閉鎖
SFD(防火防煙):両方の機能を持つ
長方形ダクトのアスペクト比(長辺÷短辺)は小さいほど圧力損失が少なく経済的。
円形断面で気密性が高く、圧力損失が少ない。フレキシブルダクトは吹出口との接続部などに使用。
湿り空気の各用語の定義と、空気線図上の変化の方向を理解することが重要。
| 用語 | 定義 | 補足 |
|---|---|---|
| 乾球温度 | 通常の温度計で測定した温度 | — |
| 湿球温度 | 湿ったガーゼで包んだ温度計の示す温度 | 乾球との差が大きいほど湿度が低い |
| 露点温度 | 空気を冷却したとき結露が始まる温度 | — |
| 絶対湿度 | 乾き空気1kgに含まれる水蒸気の質量(kg) | 加熱しても変わらない |
| 相対湿度100% | 飽和状態。乾球=湿球温度 | 「異なる」は誤り |
加熱:絶対湿度変わらず、乾球温度↑
蒸気加湿:乾球温度ほぼ変わらず、絶対湿度↑
冷却除湿:乾球温度↓、絶対湿度↓
混合:2点を結ぶ線分上。位置は重量比で決まる(必ず中点ではない)
第1〜3種換気の給排気の組み合わせと室内圧力の正負を必ず覚える。
| 種別 | 給気 | 排気 | 室内圧力 | 適用例 |
|---|---|---|---|---|
| 第1種 | 機械 | 機械 | コントロール可 | 大規模ビル全般 |
| 第2種 | 機械 | 自然 | 正圧(+) | クリーンルーム・手術室 |
| 第3種 | 自然 | 機械 | 負圧(−) | トイレ・浴室・厨房 |
冷却塔の冷却能力は湿球温度に依存する。乾球温度との混同が頻出。
冷却塔は水の蒸発潜熱を利用するため、外気の湿球温度が低いほど冷却効果が高い。「乾球温度のみに依存」は誤り。
開放型:冷却水が大気に直接触れる→冷却効率高いが水質汚染リスクあり
密閉型:冷却水が外気に触れない→水質管理が容易
冷却水の定期的な水質管理が必須。蒸発で不純物が濃縮するため、ブロー(排水)による濃縮倍数の管理も必要。「ブロー管理不要」は誤り。
VAVユニットの動作原理と、定流量・変流量の省エネ比較を正確に理解する。
負荷変動に応じて送風量を変化させる方式。インバーター制御と組み合わせると大きな省エネ効果。個別室の温度制御が可能。
定流量:流量を常に一定に保つ → 省エネ効果は低い
変流量:負荷に応じて流量を変化させる → 省エネ効果が高い
並列運転・直列運転の違い、キャビテーションの原因を正確に把握する。
並列運転:流量↑、揚程はほぼ変わらない
直列運転:揚程↑、流量はほぼ変わらない
「並列運転で揚程も比例増加」は誤り。
液体の局部的な気化により生じる現象。ポンプの損傷・振動・騒音の原因となる。
非圧縮性流体:管径大 → 断面積大 → 流速小(反比例)
フィルターの種類と設置位置・性能の組み合わせを整理する。
| 種類 | 特徴 | 適用 |
|---|---|---|
| プレフィルター | 最終フィルターの前段(上流)に設置 | 粗じん除去、最終フィルター保護 |
| HEPAフィルター | 0.3μm粒子を99.97%以上捕集 | クリーンルームの給気側最終段 |
| 自動巻取り型 | 目詰まりで自動的に新ろ材に切替 | 大型空調機・メンテ省力化 |
| 電気集塵器 | 粒子を帯電させて電気的に捕集 | 微細粒子・煙の除去 |
「HEPAは排気系統のみ」→ 誤り。給気側の最終段に設置。
GWP(地球温暖化係数)とオゾン破壊係数(ODP)の関係を整理する。CO₂冷媒の特性は頻出。
| 冷媒 | ODP | GWP | 備考 |
|---|---|---|---|
| R22(HCFC) | あり | 中 | フロン規制により段階廃止 |
| R410A(HFC) | なし | 高 | R22の代替として普及。GWP高いため次世代へ移行中 |
| CO₂(R744) | なし | 1(非常に低い) | 自然冷媒。高圧対応設備が必要 |
| HFO系(R32など) | なし | 低〜中 | 次世代冷媒として普及拡大中 |
インバーター制御・全熱交換器・外気冷房・蓄熱システムなど、省エネ手法の仕組みを理解する。
ポンプ・ファンの回転数を負荷に応じて変化させることで大きな省エネ効果。動力は回転数の3乗に比例するため、わずかな回転数低下で大幅な省エネになる。
排気の顕熱(温度)と潜熱(湿気)の両方を回収して外気処理負荷を削減。「顕熱のみ回収」は顕熱交換器の説明で誤り。
夜間電力で熱を蓄え昼間のピーク電力を削減。氷蓄熱は水の融解潜熱(約335kJ/kg)を利用するため、水蓄熱より小さな蓄熱槽で同じ蓄熱量を確保できる。
TABとコミッショニングの定義の違い、実施タイミングを正確に把握する。
竣工時のみでなく、改修・用途変更・経年劣化に伴い定期的に実施することが望ましい。「竣工時のみ」は誤り。
設計〜施工〜試運転〜引渡し後の運用段階まで継続的に行うプロセス。「引渡し時のみ」は誤り。既存建物を対象にしたものはレトロコミッショニングと呼ぶ。
・エアフィルター:圧力損失が規定値超で清掃・交換
・冷凍機冷媒:法令に基づき漏えい量管理・定期点検
・冷却塔:蒸発損失の補給+ブロー水管理(両方必要)
解説を読んだら、演習問題で確認しよう!
📝 空調設備 演習問題を解く(32問)