🔵 空調設備 補習シリーズ:
🔵 空調設備 補習マンガ — 第1回 / 全3回

空調方式・熱源機器
深掘り解説

基礎マンガで物足りない人向け — 試験で差がつく細かいポイントまで

VAV vs CAV 徹底比較 冷凍サイクル詳細 COP計算 吸収式冷凍機の仕組み ヒートポンプ暖房 氷蓄熱システム
01VAV・CAV・FCUの深掘り
02冷凍サイクルの詳細
03COP(成績係数)の計算
04冷凍機の種類と特徴
05吸収式冷凍機の仕組み
06ヒートポンプの深掘り
07氷蓄熱・水蓄熱システム
08冷却塔の詳細
01
SECTION 01
VAV・CAV・FCUの深掘り比較深掘り
🌡️
ADVANCED CLASS
スパナ軍曹
スパナ
軍曹
🔧 スパナ軍曹VAVとCAVの違いを「送風量が変わるかどうか」以上に説明できるか?!
😰 パイプ訓練生えっと……VAVは変風量で省エネで……CAVは定風量で……それ以上は……
🔧 スパナ軍曹VAVは各ゾーンのVAVユニットで風量を絞るから静圧管理が必要だ!ダクト設計が複雑になるのはそのためだ!!
🌡️ VAV・CAV・FCU 詳細比較
方式制御方法長所短所・注意点
CAV
定風量単一ダクト
送風量一定
温度で制御
シンプル・信頼性高
設計・施工が容易
個別制御不可
部分負荷時の省エネ効果が低い
VAV
変風量
送風量可変
VAVユニットで絞る
個別制御◎
省エネ効果大
インバーター制御で動力削減
静圧管理が必要
ダクト設計が複雑
最小風量時の換気量不足に注意
FCU
ファンコイルユニット
各室のコイルで
冷温水を制御
個別制御容易
既存建物への適用◎
各室に水配管が必要
漏水リスク
換気は別系統が必要
二重ダクト方式 冷風・温風を
混合ボックスで調整
個別制御◎
急激な負荷変動に対応
ダクトスペースが2倍必要
エネルギー損失が大きい
🔴 深掘りポイント:VAVの最小風量問題

VAVは負荷が小さいときに送風量を絞るが、絞りすぎると室内の換気量が不足する。このため設計上「最小風量」を設定し、それ以下には絞れないようにする。試験では「VAVは風量をゼロにできる」という誤り選択肢が出ることがある。

「VAV方式は静圧管理が不要で設計が容易」→ 誤り。VAVユニットで風量を絞るため静圧管理が必要でダクト設計は複雑になる。
02
SECTION 02
冷凍サイクルの詳細深掘り
❄️
REFRIGERATION LAB
スパナ軍曹
スパナ
軍曹
🔧 スパナ軍曹蒸発器で冷媒はどんな変化をするか!液体か気体か答えろ!!
😰 パイプ訓練生蒸発……する……から液体が気体になる?
🔧 スパナ軍曹正解だ!液体→気体に蒸発するときに周囲の熱を奪う(吸熱)!これが冷却の原理だ!
❄️ 冷凍サイクル4工程の詳細
工程機器冷媒の状態変化熱の動き
蒸発蒸発器液体 → 気体(低圧)周囲から吸熱→冷却効果
圧縮圧縮機低圧気体 → 高圧気体電力投入で圧縮・昇温
凝縮凝縮器気体 → 液体(高圧)外部へ放熱(冷却塔等で排熱)
膨張膨張弁高圧液体 → 低圧液体減圧・冷却(次の蒸発に備える)
覚え方:「蒸圧凝膨」(じょうあつぎょうぼう)
=蒸発 =圧縮 =凝縮 =膨張
🔴 深掘りポイント:凝縮温度と冷凍効率

凝縮温度が高いほど圧縮機の仕事量が増えて効率(COP)が下がる。冷却塔の性能が落ちて凝縮温度が上昇すると、冷凍機の効率が悪化する。逆に冷水温度を高めに設定すると蒸発温度が上がりCOPが向上する。

「蒸発器では冷媒が気体から液体に変化する」→ 誤り。蒸発器では液体→気体に変化して吸熱する。
03
SECTION 03
COP(成績係数)の計算と意味深掘り
📐
CALCULATION ROOM
スパナ軍曹
スパナ
軍曹
🔧 スパナ軍曹ヒートポンプ暖房のCOPは必ず1以上になる理由を説明できるか?!
😰 パイプ訓練生えっ……1より大きいってエネルギーが増えてるってこと……?
🔧 スパナ軍曹大気熱をタダで汲み上げるからだ!電力はポンプを動かす分だけでいい!投入エネルギー以上の熱を得られるんだ!!
📐 COPの定義と計算
冷房COP = 冷凍能力(W)÷ 消費電力(W)
暖房COP = 加熱能力(W)÷ 消費電力(W)

関係式: 暖房COP = 冷房COP + 1
(凝縮熱 = 蒸発熱 + 圧縮仕事 なので暖房COPは必ず冷房COPより1大きい
📈冷水温度を高く設定→蒸発温度↑→COP向上(逆は低下)
📉冷却水温度を低く設定→凝縮温度↓→COP向上
♾️ヒートポンプ暖房のCOPは必ず1以上(大気熱を利用するため)
🔴 深掘りポイント:COPと外気温の関係

ヒートポンプは外気温が低いほど大気から熱を汲み上げにくくなりCOPが下がる。真冬の最も寒い日に暖房能力が不足しがちなのはこの理由。「外気温が低いほどCOPが上がる」は誤り。

「冷水温度を低く設定するほどCOPが向上する」→ 誤り。冷水温度を高く設定するほど蒸発温度が上がりCOPが向上する。
04
SECTION 04
冷凍機の種類と選定ポイント深掘り
🏭
MACHINE ROOM
スパナ軍曹
スパナ
軍曹
🔧 スパナ軍曹遠心冷凍機が小容量に向かない理由は何だ?!
😰 パイプ訓練生大きいから……?でも理由がわからないです……
🔧 スパナ軍曹インペラの回転による遠心力で圧縮するから小容量では圧力が作れないんだ!構造上の問題だ!!
🏭 冷凍機の種類と特徴の詳細
種類容量特徴注意点
遠心(ターボ)冷凍機 大容量向き インペラ回転で圧縮。振動少・高効率・大容量 小容量に不向き。サージング(不安定振動)に注意。部分負荷効率に注意
往復動(レシプロ)冷凍機 小〜中容量 ピストンで圧縮。シンプルで信頼性高 振動・騒音が大きい。現在はスクロール・スクリューに置換されつつある
スクロール冷凍機 小〜中容量 渦巻き形状で圧縮。振動少・高効率・コンパクト 容量制御範囲が限られる
スクリュー冷凍機 中〜大容量 雄雌ロータで圧縮。信頼性高・連続運転向き 油管理が重要
吸収式冷凍機 中〜大容量 圧縮機なし・熱で駆動。電力消費が少ない 冷却水量が多い。腐食管理が重要。詳細は次項
「遠心冷凍機はすべての容量域で最も効率が高い」→ 誤り。大容量域では高効率だが小容量には不向き。部分負荷時の効率低下にも注意。
05
SECTION 05
吸収式冷凍機の仕組み深掘り
🔥
ABSORPTION UNIT
スパナ軍曹
スパナ
軍曹
🔧 スパナ軍曹吸収式冷凍機は何を吸収剤として使うか言ってみろ!!
😰 パイプ訓練生えーっと……冷媒は水……吸収剤は……臭化リチウムですか?
🔧 スパナ軍曹正解だ!冷媒:水、吸収剤:臭化リチウム(LiBr)の組み合わせが基本だ!よく覚えとけ!
🔥 吸収式冷凍機の詳細
💧冷媒:水(H₂O)吸収剤:臭化リチウム(LiBr)の組み合わせが標準。
⚙️圧縮機の代わりに「吸収→再生→凝縮→蒸発」のサイクルで熱を移動させる。電力消費が圧縮式の約1/10程度。
🔥駆動エネルギーは蒸気・温水・ガス直焚きなど。廃熱利用に最適。
💦冷却水量が圧縮式より多い。冷却塔が大きくなる。
⚠️LiBr水溶液は腐食性が高い。腐食防止剤の管理が重要。
❄️冷水温度は5℃以上が下限(水が凍結するため)。蒸気圧縮式より冷水温度を低くできない。
🔴 深掘りポイント:二重効用と一重効用

一般的なビル用は二重効用型(高温再生器と低温再生器を持つ)でCOPが高い(約1.2程度)。一重効用型は廃熱・低温熱源利用向け(COPは約0.7程度)。「吸収式のCOPは必ず1以上」は誤り(一重効用は1未満)。

「吸収式冷凍機の冷媒はフロン系冷媒である」→ 誤り。吸収式の冷媒は水(H₂O)で、吸収剤が臭化リチウム(LiBr)
06
SECTION 06
ヒートポンプの深掘り深掘り
♨️
HEAT PUMP ROOM
スパナ軍曹
スパナ
軍曹
🔧 スパナ軍曹空冷ヒートポンプと水冷ヒートポンプ、効率がいいのはどっちだ!!
😰 パイプ訓練生水の方が熱を伝えやすいから……水冷の方が効率いいですか?
🔧 スパナ軍曹正解だ!水冷の方が空冷より熱交換効率が高い!ただし冷却塔や配管が必要で設備コストが増える!
♨️ ヒートポンプの種類と特徴
種類熱源特徴
空冷ヒートポンプ外気設備シンプル・設置容易。外気温に依存してCOPが変動。寒冷地では能力低下
水冷ヒートポンプ冷却水・河川水・地下水熱交換効率が高くCOPが安定。冷却塔・水源が必要
地中熱ヒートポンプ地中熱年間を通じて安定したCOP。初期コスト高。ボーリング工事が必要
🔄四方弁(リバーシングバルブ):冷媒流れを切り替えて冷房↔暖房を切り替える弁。ヒートポンプの運転切替に必須の部品。
🌡️外気温が低いほど空冷ヒートポンプの暖房COPは低下する(外気熱が少ないため)。
「ヒートポンプの冷暖房切替は蒸発器と凝縮器を物理的に入れ替えて行う」→ 誤り。四方弁で冷媒の流れ方向を切り替えることで実現する。
07
SECTION 07
氷蓄熱・水蓄熱システム深掘り
🧊
THERMAL STORAGE
スパナ軍曹
スパナ
軍曹
🔧 スパナ軍曹氷蓄熱が水蓄熱より小さいタンクで同じ蓄熱量を確保できる理由は何だ!!
😰 パイプ訓練生氷の方が……冷たいから?
🔧 スパナ軍曹融解潜熱だ!水が氷になるとき大量の熱を蓄える!約335kJ/kg!比熱だけの水蓄熱より圧倒的に蓄熱密度が高い!!
🧊 蓄熱システムの比較
項目氷蓄熱水蓄熱
蓄熱原理融解潜熱(約335kJ/kg)顕熱(水の比熱×温度差)
蓄熱槽サイズ小さくて済む大きくなる
冷凍機の運転条件製氷のため蒸発温度が低い(−10℃程度)→COP低下通常運転のCOPを維持しやすい
主なメリットピーク電力削減・夜間電力活用・タンク小設備シンプル・冷凍機の効率維持
🔴 深掘りポイント:氷蓄熱のCOP低下問題

氷蓄熱では夜間に−10℃程度まで冷やして製氷するため、冷凍機の蒸発温度が通常より低くなりCOPが低下する。「氷蓄熱は冷凍機の効率が向上する」は誤り。省エネ効果は主に夜間の割安電力活用とピーク電力削減によるものであって、冷凍効率の向上ではない。

「氷蓄熱は水蓄熱より蓄熱槽が大きくなる」→ 誤り。潜熱を利用するため氷蓄熱の方がタンクが小さくて済む
08
SECTION 08
冷却塔の詳細深掘り
🏗️
COOLING TOWER
スパナ軍曹
スパナ
軍曹
🔧 スパナ軍曹開放型と密閉型冷却塔の違いを詳しく説明できるか!!
😰 パイプ訓練生開放型は水が空気に触れて……密閉型は触れない……ですか?
🔧 スパナ軍曹正解!開放型は冷却水が大気と直接接触するから冷却効率は高いが水質管理が重要になる!
🏗️ 冷却塔の種類と管理
種類特徴注意点
開放型冷却塔冷却水が大気と直接接触。冷却効率高い・コスト低水質汚染リスク高。レジオネラ菌対策必須。ブロー管理重要
密閉型冷却塔コイル内の冷却水と大気が間接接触。水質管理容易開放型より冷却効率がやや低い。設備費高
💧冷却塔は水の蒸発潜熱を利用して冷却するため、冷却能力は外気の湿球温度に依存する。乾球温度ではない。
🌡️冷却水出口温度は外気湿球温度より必ず高くなる(湿球温度を下回ることは物理的に不可能)。
🔬濃縮倍数:蒸発による不純物の濃縮を管理する指標。ブロー(排水)量を適切に管理して濃縮を防ぐ。
「冷却塔の冷却能力は外気乾球温度のみに依存する」→ 誤り。水の蒸発を利用するため湿球温度に依存する。
🌡️ 第1回 全8テーマ制覇!!
次は第2回:ダクト・換気・防火防煙設備 FD・SDの詳細メカニズム・ダクト設計・各種換気方式を深掘り解説
理解したら演習問題で確認しよう

空調設備の演習問題で知識を定着させろ。

📝 空調設備 演習問題を解く 🎯 総合確認問題