🔵 空調設備 補習シリーズ:
🔵 空調設備 補習マンガ — 第2回 / 全3回

ダクト・換気・
防火防煙設備
深掘り解説

FDとSDを本当に理解しているか?ダクト設計の落とし穴まで叩き込む

FD・SD・SFDの詳細 ダクト圧力損失計算 第1〜3種換気の深掘り 全熱交換器の仕組み 排煙設備 クリーンルーム
01FD・SD・SFDの詳細メカニズム
02ダクトの種類と圧力損失
03VAVユニットと静圧制御
04換気方式の深掘り
05全熱交換器の仕組み
06排煙設備(自然排煙・機械排煙)
07クリーンルームの換気
08外気冷房・ナイトパージ
01
SECTION 01
FD・SD・SFDの詳細メカニズム深掘り
🔥
DAMPER TRAINING
スパナ軍曹
スパナ
軍曹
🔧 スパナ軍曹FDの温度ヒューズが溶断する温度は何度か!答えろ!!
😰 パイプ訓練生えっ……72℃……ですか?
🔧 スパナ軍曹正解だ!72℃が標準だ!ただし厨房など高温場所は120℃や150℃の高温ヒューズを使う!場所によって使い分けるぞ!!
🔥 FD・SD・SFDの詳細比較
🔴 FD(防火ダンパー)
作動トリガー 温度ヒューズ溶断(72℃が標準
設置場所 防火区画の貫通部
目的 火炎の延焼防止(煙ではなく炎・熱が対象)
復帰 手動復帰が必要(自動復帰なし)
🟡 SD(防煙ダンパー)
作動トリガー 煙感知器の信号(電気信号)
設置場所 防煙区画の貫通部
目的 煙の拡散防止(避難経路の安全確保)
復帰 自動復帰可能(制御盤からのリセット)
🔵 SFD(防火防煙ダンパー)
作動トリガー 温度ヒューズ+煙感知器の両方(どちらが先に作動してもOK)
特徴 FDとSDの機能を一体化。防火区画かつ防煙区画を貫通する場合に使用。
🔴 深掘りポイント:厨房のFD温度

厨房・ボイラー室など通常でも高温になる場所では、72℃のヒューズでは調理中に誤作動してしまう。このため120℃や150℃の高温ヒューズを使用する。「すべての場所で72℃のFDを使用する」は誤り。

「FDは煙感知器の信号で作動し、SDは温度ヒューズで作動する」→ 完全に逆。FDは温度ヒューズ(72℃)、SDは煙感知器の信号で作動する。最頻出の引っかけ。
02
SECTION 02
ダクトの種類と圧力損失深掘り
📐
DUCT DESIGN LAB
パイプ訓練生
パイプ
訓練生
😰 パイプ訓練生ダクトの断面積を小さくすると風速が上がって……圧力損失はどうなるんですか?
スパナ軍曹
スパナ
軍曹
🔧 スパナ軍曹圧力損失は風速の2乗に比例して増加する!断面積を半分にすると風速は2倍→圧力損失は4倍になるぞ!!
📐 ダクトの種類と設計ポイント
種類特徴用途・注意点
長方形ダクトスペース効率◎。天井裏に収まりやすいコーナー部の抵抗に注意。アスペクト比(長辺/短辺)は4以下が推奨
円形ダクト圧力損失が最も小さい。製作コスト低スペースを取る。高速ダクトに適している
スパイラルダクト円形ダクトの一種。気密性高低圧・中圧系統に多用
フレキシブルダクト曲げ自在。吹出口への接続に使用長く使うと圧力損失が大きい。長さは最小限に
圧力損失: ΔP = λ × (L/D) × (ρv²/2)
 λ:摩擦係数 L:ダクト長さ D:相当直径
 ρ:空気密度 v:風速
ポイント: 風速vの2乗に比例する!
🔴 深掘りポイント:アスペクト比の問題

長方形ダクトの長辺と短辺の比(アスペクト比)が大きいほど、同じ断面積でも周長が長くなり摩擦抵抗が増加する。アスペクト比は4以下が推奨で、8を超えると圧力損失が著しく増大し騒音も問題になる。

「フレキシブルダクトは長く使うほど圧力損失が小さくなる」→ 誤り。フレキシブルダクトは長いほど圧力損失が大きくなる。接続部の余長は最小限にする。
03
SECTION 03
VAVユニットと静圧制御の詳細深掘り
💨
PRESSURE CONTROL
スパナ軍曹
スパナ
軍曹
🔧 スパナ軍曹VAVで各部屋の風量を絞ったとき、ダクト内の静圧はどうなる?!
😰 パイプ訓練生風量が減るから……静圧も下がる……?
🔧 スパナ軍曹逆だ!VAVユニットを絞ると下流への流量が減って静圧が上昇する!だから送風機のインバーター制御で静圧を一定に保つ制御が必要なんだ!!
💨 VAVシステムの静圧制御
📈VAVユニットを絞る→流量減少→ダクト内静圧上昇。このまま放置すると騒音増大・機器損傷につながる。
送風機のインバーター制御:静圧センサーの値に応じて送風機の回転数を下げて静圧を一定に保つ。大幅な省エネ効果がある。
🔊静圧が高すぎると吹出口から騒音・ドラフトが発生する。静圧設定値を適切に管理することが重要。
🌬️最小風量の設定:VAVを絞りすぎると換気不足になるため、最小風量(設計風量の30〜40%程度)を設ける。
🔴 深掘りポイント:インバーター制御の省エネ効果

送風機の動力は風量(回転数)の3乗に比例する。風量を80%に絞ると動力は約51%(0.8³≒0.51)に削減できる。VAV+インバーターの組み合わせは最大の省エネ効果をもたらす。

「VAVシステムでは静圧管理は不要」→ 誤り。静圧管理(インバーター制御)が必須。これがVAVの複雑さの主な原因。
04
SECTION 04
換気方式の深掘り(第1〜3種)深掘り
🌬️
VENTILATION CLASS
パイプ訓練生
パイプ
訓練生
😰 パイプ訓練生第2種換気をトイレに使えない理由が「正圧だから」というのはわかったんですが……なぜ正圧だと問題なんですか?
スパナ軍曹
スパナ
軍曹
🔧 スパナ軍曹正圧だと室内の空気が外に押し出されるからだ!トイレの臭気が廊下や隣室に漏れ出すぞ!負圧(第3種)なら臭気を室内に引き込んで排気できる!!
🌬️ 換気方式の詳細と適用場所
種別給気排気室内圧適用場所と理由
第1種 機械 機械 制御可能 大規模ビル全般・病院の手術室(正圧・負圧を用途で使い分け)
第2種 機械 自然 正圧(+) クリーンルーム・手術室・無菌室(外部からの汚染空気の侵入を防ぐ)
トイレ・厨房・浴室には不適
第3種 自然 機械 負圧(−) トイレ・浴室・厨房・喫煙室(臭気・煙が外に漏れない)
汚染空気を室内に閉じ込めて排気
🔴 深掘りポイント:病院の換気方式

病院では部屋の用途によって意図的に正圧・負圧を使い分ける。手術室・清潔区域→正圧(外部からの菌・汚染の侵入防止)、感染症病室・汚染区域→負圧(菌・ウイルスが外に出ないように)。どちらも第1種換気で圧力をコントロールする。

「病院の手術室は第3種換気(負圧)とする」→ 誤り。手術室は外部からの汚染を防ぐため正圧が基本(感染症病室は負圧)。
05
SECTION 05
全熱交換器の仕組みと限界深掘り
♻️
HEAT EXCHANGER
スパナ軍曹
スパナ
軍曹
🔧 スパナ軍曹全熱交換器を使ってはいけない場所はどこだ!!
😰 パイプ訓練生省エネになるなら……どこでも使えばいいんじゃ……
🔧 スパナ軍曹トイレや厨房の排気に全熱交換器を使うと臭気が給気側に混入するぞ!汚染空気を室内に戻してどうする!!
♻️ 全熱交換器の詳細
🔄全熱交換器:排気の顕熱(温度)と潜熱(湿気)の両方を回収して外気処理負荷を削減する。「顕熱のみ回収」は顕熱交換器の説明で誤り。
適用場所:一般的なオフィス・事務室・ホテル客室など清浄な排気がある場所。
🚫使用不可:トイレ・厨房・喫煙室・化学物質発生室など汚染物質・臭気を含む排気がある場所(給気側への混入リスク)。
❄️冬季の外気冷房時:全熱交換器の排熱回収が外気冷房の効果を打ち消す場合があるため、バイパス回路が必要。
熱回収量: Q = V × ρ × Cp × ε × ΔT
 V:風量 ρ:空気密度 Cp:比熱
 ε:熱交換効率(60〜80%程度) ΔT:温度差
「全熱交換器はすべての換気系統に設置することが推奨される」→ 誤り。臭気・汚染物質を含む排気系統(トイレ・厨房など)には使用不可。
06
SECTION 06
排煙設備の詳細(自然排煙・機械排煙)深掘り
💨
SMOKE EXHAUST
パイプ訓練生
パイプ
訓練生
😰 パイプ訓練生自然排煙と機械排煙はどう使い分けるんですか?
スパナ軍曹
スパナ
軍曹
🔧 スパナ軍曹自然排煙は外気に面した開口部が必要だ!地下室や内部廊下には使えない!そういう場所には機械排煙を使うぞ!!
💨 排煙設備の種類と設計基準
種類仕組み条件・注意点
自然排煙 排煙窓を開放して煙の浮力で排出 有効開口面積:床面積の1/50以上。天井高が3m以上の場合は緩和規定あり。外気に面する必要あり
機械排煙 排煙機で強制的に排出 排煙量:120m³/min以上(1防煙区画あたり)。地下・内部廊下に必須。給気口の位置が重要
📏防煙垂れ壁:天井から50cm以上垂れ下がらせて煙の流動を防ぐ仕切り。不燃材料で作成する。
⚠️排煙設備は建築基準法と消防法の両方で規定されている。「消防法のみ」は誤り。
🌬️機械排煙の給気口は床面近く(1.5m以下)に設ける。煙は上部に滞留するため、下から新鮮空気を入れて避難者を守る。
「排煙設備は消防法のみで規定されている」→ 誤り。建築基準法と消防法の両方で規定されている(目的が異なる)。
07
SECTION 07
クリーンルームの換気と圧力管理深掘り
🔬
CLEAN ROOM
スパナ軍曹
スパナ
軍曹
🔧 スパナ軍曹クリーンルームで使われるHEPAフィルターの捕集効率は何%以上か!!
😰 パイプ訓練生99……パーセントくらい?
🔧 スパナ軍曹甘い!99.97%以上だ!0.3μmの粒子に対してだ!これがHEPAフィルターの定義だぞ!!
🔬 クリーンルームの換気・圧力管理
🔵クリーンルームは正圧管理(第2種換気の考え方)。外部からの汚染粒子の侵入を防ぐために室内圧力を外部より高く保つ。
🧹HEPAフィルター:0.3μmの粒子を99.97%以上捕集。クリーンルーム・病院手術室に使用。
💨層流(ラミナーフロー)方式:天井全面から均一に給気して床面から排気。気流が乱れず高い清浄度を保てる。
🔄クリーンルームの換気回数は一般的なオフィス(6〜10回/h)よりはるかに多く、数十〜数百回/hに達する場合がある。
「クリーンルームは負圧管理とする」→ 誤り。クリーンルームは外部からの汚染侵入を防ぐため正圧管理が基本(感染症隔離室は負圧)。
08
SECTION 08
外気冷房・ナイトパージ・エコノマイザー深掘り
🌙
ECONOMY MODE
パイプ訓練生
パイプ
訓練生
😰 パイプ訓練生外気冷房って冬に窓を開けることですか……?
スパナ軍曹
スパナ
軍曹
🔧 スパナ軍曹違う!外気が室内より低温低エンタルピーのとき、冷凍機を使わずに外気を大量導入して冷房する手法だ!中間期・冬季の大幅省エネになる!!
🌙 外気冷房・ナイトパージ・エコノマイザー
❄️外気冷房:外気エンタルピーが室内より低い場合に外気を大量導入して冷房する。冷凍機の運転を減らせる。中間期・冬季に特に有効。
🌙ナイトパージ:夜間に蓄積した室内・躯体の熱を、夜間の涼しい外気で換気して排熱する手法。翌朝の冷房立ち上がり負荷を削減できる。
🔧エコノマイザーサイクル:外気冷房を自動的に制御するシステム。外気・還気のエンタルピーを比較して最適な外気取入量を決定する。
⚠️外気冷房時に全熱交換器が作動していると、せっかくの外気の冷熱が排熱で回収されてしまい効果が相殺される。外気冷房時は全熱交換器をバイパスする制御が必要。
「外気冷房は夏季の昼間に最も効果を発揮する」→ 誤り。外気が室内より低温になる中間期・冬季・夜間に効果を発揮する。
💨 第2回 全8テーマ制覇!!
次は第3回:冷媒・省エネ・自動制御 冷媒のGWP・フロン規制・インバーター制御・ビルオートメーションを深掘り解説
理解したら演習問題で確認しよう

空調設備の演習問題で知識を定着させろ。

📝 空調設備 演習問題を解く 🎯 総合確認問題