法規の出題傾向
法規は1級管工事施工管理技士一次検定において難易度が高く差がつきやすい分野です。建築基準法・建設業法・労働安全衛生法などから幅広く出題されます。条文の数値・義務の主体・適用範囲を正確に覚えることが合格への近道です。
✅ 法規攻略の3原則
- 数値を正確に暗記する。「500万円未満」「月45時間」「年1回以上」など数値の引っかけが頻出。
- 義務の主体を意識する。「誰が」「何をしなければならないか」を条文ごとに整理する。
- 適用範囲のひっかけに注意。「新築のみ」「全業種」「家庭用も対象」などの誤った適用範囲を選ばせる問題が多い。
建築基準法
建築基準法では配管設備規定の適用範囲と確認申請の手続きが頻出です。
| 項目 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 配管設備規定の適用範囲 | 新築・大規模修繕・大規模模様替え・用途変更にも適用 | 「新築のみ」は誤り |
| クロスコネクション | 飲料水配管と排水管の直接連結は禁止 | 建築基準法施行令で規定 |
| 防火区画貫通処理 | 隙間を不燃材料で充填+必要に応じてFD設置 | 「すべての配管にスプリンクラー設置」は誤り |
| 確認申請の流れ | 確認済証交付→着工→完了検査→検査済証交付 | 「確認を受けた建物は完了検査不要」は誤り |
| CO₂濃度管理基準(ビル管法) | 1,000ppm以下 | 「0ppmが義務」は誤り |
建設業法
建設業法では一括下請負の禁止・主任技術者と監理技術者の違い・許可が不要な工事の金額が頻出です。
| 項目 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 一括下請負 | 発注者の書面による承諾がある場合を除き原則禁止 | 特定建設業者でも例外なし |
| 主任技術者 | すべての工事現場に配置義務 | 「小規模工事は不要」は誤り |
| 監理技術者 | 特定建設業者が一定額以上の下請契約を締結する場合に配置 | 資格者証の携帯・提示義務あり |
| 建設業許可不要の範囲 | 請負代金500万円未満の軽微な工事 | 「いかなる工事も許可必要」は誤り |
| 施工体制台帳 | 特定建設業者が作成・保存 | 発注者の請求があれば閲覧させる義務あり |
⚠️ 頻出引っかけ
「施工体制台帳は元請のみが閲覧できる」→ 誤り。発注者が請求した場合は閲覧させる義務があります。
水道法・下水道法
水道法では簡易専用水道の定義と管理義務の数値が頻出です。
| 項目 | 基準・内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 簡易専用水道の定義 | 有効容量10m³超の受水槽を使用する給水施設 | 10m³以下は対象外 |
| 受水槽の清掃頻度 | 年1回以上 | 「年2回以上」は誤り |
| 定期検査 | 年1回(登録検査機関が実施) | — |
| 給水栓の残留塩素 | 0.1mg/L以上を保持 | 水道法で義務付け |
| 下水道への排水 | 基準超過の排水は除害施設で前処理が必要 | 「どのような水質でも追加処理不要」は誤り |
廃棄物処理法・建設リサイクル法
産業廃棄物の処理区分とマニフェスト制度、建設リサイクル法の対象品目が頻出です。
⚠️ 頻出引っかけ
「産業廃棄物は一般廃棄物処理施設で処理できる」→ 誤り。産業廃棄物は産業廃棄物処理許可業者・専用施設でのみ処理できます。
- マニフェスト制度:産業廃棄物の適正処理を確認する伝票制度。排出→運搬→処分の各段階で管理票を交付・保存する。
- 建設リサイクル法の特定建設資材:コンクリート・アスファルト・木材・金属の分別解体と再資源化を義務付け。「すべての廃棄物ゼロが義務」は誤り。
消防法・危険物規制
危険物取扱者の資格区分と防火対象物点検の頻度が頻出です。
| 区分 | 取り扱える危険物 |
|---|---|
| 甲種 | 全類の危険物を取り扱える |
| 乙種 | 取得した類のみ(「全種類を扱える」は誤り) |
| 丙種 | 特定の第4類危険物のみ |
📐 防火対象物点検の頻度
- 機器点検:6ヶ月に1回
- 総合点検:年1回
- 特定防火対象物への報告:年1回
- 非特定防火対象物への報告:3年に1回
フロン排出抑制法・省エネ法
フロン法の適用対象(業務用のみ)と省エネ法の建築物への適用が引っかけとして頻出です。
- フロン排出抑制法の対象:業務用エアコン・冷凍冷蔵機器(第一種特定製品)のみ。「家庭用エアコンにも業務用と同様に適用される」は誤り。
- 省エネ法の適用範囲:工場だけでなく建築物(ビル・商業施設など)にも適用される。「建築物には適用されない」は誤り。
労働基準法・労働安全衛生法
2019年の改正による時間外労働の上限規制と、安全衛生管理体制の選任義務の適用範囲が頻出です。
| 項目 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 時間外労働の上限(36協定) | 原則月45時間・年360時間 | 「36協定で無制限」は2019年改正前の古い知識。誤り |
| 割増賃金 | 25%以上(月60時間超は50%以上) | — |
| 安全管理者の選任義務 | 常時50人以上・一定業種のみ | 「全業種に義務」は誤り |
| 衛生管理者の選任義務 | 常時50人以上・すべての業種 | 業種を問わず義務(安全管理者と混同注意) |
| 安全委員会と衛生委員会 | 両方の設置義務がある場合、統合して設置できる | 「必ず独立して設置」は誤り |
| 安全衛生教育の対象 | 雇用形態を問わずすべての労働者 | 「パート・派遣は対象外」は誤り |
⚠️ 石綿作業の防護マスク
石綿(アスベスト)作業には防じんマスク(または電動ファン付き呼吸用保護具)を使用します。「防毒マスクを使用する」は誤りです。防毒マスクはガス・蒸気用で石綿(粉じん)には不適切です。
法規の頻出引っかけ一覧
法規は数値・適用範囲・義務の主体の引っかけが多発する分野です。以下を確実に押さえることで得点が大幅に上がります。
「建築基準法の配管設備規定は新築のみに適用される」→ 誤り。大規模修繕・用途変更にも適用される。
「特定建設業者なら一括下請負ができる」→ 誤り。特定建設業者でも例外なく原則禁止。
「施工体制台帳は元請のみ閲覧できる」→ 誤り。発注者から請求があれば閲覧させる義務あり。
「いかなる建設工事も建設業の許可が必要」→ 誤り。500万円未満の軽微な工事は許可不要。
「簡易専用水道の受水槽清掃は年2回以上が義務」→ 誤り。法的義務は年1回以上。
「産業廃棄物は一般廃棄物処理施設で処理できる」→ 誤り。産業廃棄物専用の許可業者・施設で処理。
「乙種危険物取扱者はどのような種類でも取り扱える」→ 誤り。取得した類のみ。全類は甲種のみ。
「フロン排出抑制法は家庭用エアコンにも業務用と同様に適用される」→ 誤り。業務用(第一種特定製品)のみ。
「省エネ法は工場・製造業にしか適用されない」→ 誤り。建築物(ビル・商業施設など)にも適用される。
「36協定を締結すれば時間外労働は無制限にできる」→ 誤り。2019年改正で月45時間・年360時間の上限が設けられた。
「安全管理者の選任義務はすべての業種にある」→ 誤り。一定業種のみ。すべての業種に義務があるのは衛生管理者。
「石綿作業では防毒マスクを使用する」→ 誤り。石綿は粉じんのため防じんマスクが正解。