給排水設備の出題傾向

給排水衛生設備は空調設備と並んで最も出題数が多い分野のひとつです。例年10〜15問程度が出題されます。給水方式・トラップ・通気・レジオネラ菌対策・ガス設備と幅広いテーマが問われますが、出題パターンは比較的安定しています。

✅ 給排水設備攻略の3原則
  1. 給水方式・換気方式は比較表で覚える。高置水槽 vs 直結増圧、第1〜3種換気など「A vs B」の対比が頻出。
  2. 数値を正確に押さえる。受水槽の有効容量(1/2程度)・封水深(50〜100mm)・清掃頻度(年1回以上)など。
  3. LPGと都市ガスの違いを明確に区別する。比重・警報器位置・発熱量がすべて逆。

給水方式の比較

給水方式の問題は毎年出題される超頻出テーマです。各方式の特徴と停電時の挙動の違いを確実に押さえてください。

方式概要特徴・注意点
高置水槽方式屋上タンクから重力給水停電時でも一定時間給水可能。水質管理が必要
直結直圧方式水道本管の圧力をそのまま利用受水槽不要で水質汚染リスク低。低層建物向き
直結増圧方式増圧ポンプで中高層へ直結給水受水槽不要。停電時はポンプ停止→断水
加圧給水ポンプ方式受水槽+加圧ポンプで給水インバーター制御で省エネ対応可能
⚠️ 頻出引っかけ
「直結増圧方式は停電時でも断水しない」→ 誤り。増圧ポンプが停止するため断水が発生します。停電時でも給水できるのは高置水槽方式(重力給水)です。

受水槽・高置水槽の管理基準

受水槽の設計・管理に関する数値基準が頻出です。特に有効容量の目安清掃頻度を数値で正確に覚えてください。

項目基準・目安注意点
有効容量の目安1日使用水量の1/2程度「2倍程度」は誤り。大きすぎると水が滞留して水質悪化
簡易専用水道の清掃年1回以上「年2回以上」は誤り(法的義務は年1回)
簡易専用水道の定義有効容量10m³超10m³以下は水道法の規定対象外
6面点検底面・側面4面・天井面の点検が必要底部を基礎スラブと兼用することは禁止
受水槽上部への設備設置禁止電気・機械設備・配管・ダクトの設置禁止

排水管・勾配・材料

管径と勾配の関係、材料の特性と適用範囲が頻出です。

管径と勾配の関係

管径が大きいほど緩勾配でよくなります(反比例の関係)。「管径が大きいほど急勾配が必要」は誤りです。

管径勾配の目安
50mm1/50
75mm1/100
100mm1/100〜1/200

配管材料の特性

トラップと封水破壊

封水破壊の4種類と、それぞれの封水量への影響が頻出です。特に跳ね出し作用の方向(増加か減少か)の引っかけに注意。

種類原因封水量への影響
自己サイホン作用器具排水時にトラップ自身がサイホン管となり封水を引き込む減少
誘導サイホン作用他の器具の排水で排水管内が負圧になり封水が引き込まれる減少
跳ね出し作用排水立て管内の正圧で封水が器具側に押し出される減少(「増加」は誤り)
蒸発長期間不使用で封水が蒸発減少
⚠️ 頻出引っかけ
「跳ね出し作用で封水量が増加する」→ 誤り。正圧で押し出されるため封水量は減少します。また二重トラップは禁止です(排水の流れが妨げられる)。

通気設備

通気管の種類と設置基準が頻出です。特に伸頂通気管の定義設置高さの数値を正確に覚えてください。

種類概要ポイント
伸頂通気管排水立て管の頂部をそのまま延長して大気開放排水立て管と一体。「別の独立した立て管」は誤り
各個通気管各衛生器具のトラップごとに設ける最も確実な封水保護方法
ループ通気管最上流器具の排水管に接続し通気立て管まで配管複数器具をまとめて保護
📐 設置基準の数値
  • 屋根面からの立上げ高さ:200mm以上(「100mm以上」は誤り)
  • 窓・換気口・出入口などの開口部からの距離:600mm以上

給湯設備・レジオネラ菌対策

レジオネラ菌の繁殖温度と死滅温度の数値は必ず覚えてください。「60℃以上で増殖する」という引っかけが頻出です。

⚠️ 最頻出の引っかけ
「60℃以上でレジオネラ菌が急激に増殖する」→ 完全に誤り。60℃以上では死滅します。繁殖するのは20〜50℃(特に37℃付近が最大)。貯湯槽は60℃以上に保つことが対策になります。
項目内容
レジオネラ菌 繁殖温度20〜50℃(特に37℃付近が最大)
レジオネラ菌 死滅温度60℃以上
貯湯槽の管理温度60℃以上に維持
末端給湯温度55℃以上に維持
密閉式膨張タンク設置位置の制約が少ない。外気と遮断され水質汚染リスク低

ガス設備(都市ガス・LPG)

都市ガスとLPGの違いを整理することが重要です。比重・警報器位置・発熱量がすべて異なります。

項目都市ガス(13A)LPG(プロパン)
主成分メタン(CH₄)プロパン・ブタン
空気との比重空気より軽い空気より重い
ガスの滞留位置天井付近床付近
警報器の設置位置天井面から30cm以内床面から30cm以内
発熱量(単位体積)約45MJ/m³約93MJ/m³(約2倍高い
⚠️ 頻出引っかけ
「LPGは都市ガスより発熱量が低い」→ 誤り。LPGの方が単位体積あたりの発熱量が約2倍高いです。また「LPGのガス警報器は天井に設置する」→ 誤り。LPGは空気より重いため床面から30cm以内に設置します。

給排水設備の頻出引っかけ一覧

試験で特に注意が必要な引っかけパターンをまとめました。これらを確実に押さえることで給排水設備の得点が大きく上がります。

「直結増圧方式は停電時でも断水しない」→ 誤り。ポンプ停止で断水。停電でも給水できるのは高置水槽方式。
「受水槽の有効容量は1日使用水量の2倍程度が標準」→ 誤り。1/2程度が標準。
「受水槽上部に設備を設置することが推奨されている」→ 誤り。水質汚染リスクのため設置禁止。
「管径が大きいほど急勾配が必要」→ 誤り。管径が大きいほど緩勾配でよい(反比例)。
「硬質塩化ビニル管は高温排水への耐熱性が高い」→ 誤り。60℃以上で変形。高温排水には耐熱VP(HTVP)を使用。
「跳ね出し作用で封水量が増加する」→ 誤り。正圧で押し出されるため減少する。
「伸頂通気管は排水立て管とは別の独立した立て管」→ 誤り。排水立て管の頂部をそのまま延長したもの。
「60℃以上でレジオネラ菌が急激に増殖する」→ 誤り。60℃以上では死滅する。繁殖は20〜50℃。
「LPGのガス警報器は天井付近に設置する」→ 誤り。LPGは空気より重いため床面から30cm以内。
「LPGは都市ガスより発熱量が低い」→ 誤り。LPGの方が単位体積あたり約2倍高い。

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